貴田事務所 ブログ

2025年10月18日 土曜日

続報。

さて、前回書いた「住宅用家屋証明書の悪用」についての続報です。
まるでドラマのような展開になってきたので、登場人物を整理しておきましょう。
合理的に生きたい司法書士としては、コントのような数日間でした。

登場人物
売主:K(私の知り合い)
買主:M
売主の仲介:Uハウス X店の新人O
買主の仲介:Uハウス Y店の店長W
Uハウスの役員:N

登記手続きは、売主が住所変更と抵当権抹消、買主が所有権移転。
物件はマンションです。

10月14日
新人Oから電話。「Kさんに不動産取引の件で連絡がいってると思いますが〜」と。
書類をメールで受け取り確認すると、物件はすでにベース貸し(米軍賃貸)中。
当然、住宅用家屋証明書は使えない案件。

そこで減税なしの見積書を送ると、Oからまさかのひと言。
「減税した見積書、送ってください」

おい。
まあ一応、送っておいた。

10月15日
別件でKの取引があり、そこにUハウスの役員Nが登場。
ついでに私は言った。
「賃貸案件で減税使ったら詐欺ですよ」

N「買主の希望なので...」
私「いやいや、希望とかそういう問題じゃないです」

私とKで説得した結果、「16日に社内で検討します」とのこと。

10月16日
朝9時、店長Wから電話。

W「問題は解決しましたので〜」
私「どうするんですか?」
W「司法書士替えますから」

え?そう来た?

私「じゃあ、住所変更も抵当権抹消もそっちでどうぞ」
W「わかりました」
私「ちなみに、犯罪行為したら税務署と市役所に連絡しますね」
W「どーぞ」

軽っ。

すぐOに「Wがほかの司法書士でやるって言ってるから、Kさんにも伝えて」と連絡。
Kにも2回電話したけど出ない。

面白すぎたので、同業の司法書士仲間にもWとのやり取りを話す。
その後、仲介の営業と栃木県まで出張。
当然、車内でもこの話で大盛り上がり。

夜、18時過ぎ。
O「役員Nから連絡があったと思いますが、取引お願いします...」

その瞬間、怒りゲージMAX。
私「Wがほかでやるって言ってるのに、新人に電話させるってどういう神経!?」
怒りのスイッチ全開。
最後に「やるか!」で通話終了。

10月17日
夜8時過ぎ、Kから電話。

K「きだくーん、どういうことだよ〜。ここにNがいて困った顔してるぞ〜」

KとNに30分ほど事情を説明。
「仕事は引き受けません」と改めて伝える。

で、Nに「Wは何て言ってるの?」と聞くと、まさかの答え。
「何も話してません」

つまり、Oが「きださん怒ってます」とだけ報告して、
NはWにも確認せず、状況がまったくわかっていなかった。

Nには「私に電話する前に、まずWに確認して」と伝える。

10月18日
Nから何度か電話があり、折り返すとWがまた嘘をつく。
「買主さんの方で司法書士を用意しましょうか、って言っただけです」

いや、それだけじゃないよね?

Oにも確認するよう伝え、「スマホの会話、録音してあるから嘘はバレますよ」と釘を刺す。

Nは電話越しに謝罪していたが、NもOも本質的には悪くない。
すべては店長Wが、
お客をコントロールできず、詐欺まがいの話を止められず、最後に司法書士のせいにする。
という残念な展開。

Wは私を完全に舐めていた。
「どうせやるんだろう」と思っていたらしい。
本人に確認済み。

会話の中でも辻褄が合わないことが次々と出てきて、
本人も自分が何を言ったか理解していない様子。
ここまで大事になるとは思っていなかったのだろう。

KはUハウスにとって超太客。
でも今回の件で「もうUハウスは使わない」とのこと。
私としては、正直一番損している。
なんなら今後、KがUハウスで取引をする場合も「一切仕事を引き受けなくていい」とまで言っている。

正直なところ、住宅用家屋証明書の取得なんて、せいぜい一万円ちょっとの仕事。
それでいて、もしもの場合には警察、市役所、税務署から事情聴取を受ける羽目になる。
そんな割に合わない話、やってられない。

一万円のために半日拘束なんて、合理的に生きたい私とは真っ向から反する。
法律家である前に、まず人としてリスク管理です。

これは典型的な構図。
貧乏くさいわがままな客、金になるなら倫理も飛ぶ不動産屋、
そして仕事欲しさに奴隷化している司法書士たち。

この三者が揃えば、そりゃ事件にもなる。
私はただ、普通のことを普通に言っただけ。
それでも波風が立つのが、この業界のリアルです。

小さな書類ひとつにも、倫理観と覚悟が問われる。
それがこの仕事の、そして人生のリアルなコストだと思う。
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投稿者 貴田和仁 | 記事URL

2025年10月16日 木曜日

減免措置。

住宅用家屋証明書を悪用する不動産業者がいる。

居住用不動産を購入する際、登録免許税には大幅な減免措置がある。
たとえば中古住宅で建物の固定資産税評価額が1,000万円の場合、
通常は20万円の登録免許税がかかる。
ところが「住宅用家屋証明書」を取得すれば、わずか3万円で済む。
3,000万円の融資(住宅ローン)でも、通常12万円の登録免許税が3万円に減る。
つまり、「居住用である」という一点によって、
十数万円もの差が生じるわけだ。

この制度は、本来「実際に住む人の負担を軽くする」ためのものだ。
決して投資家や賃貸業者が節税のために利用する制度ではない。

ところが現実には、この制度を悪用する者が後を絶たない。
実際には「賃貸中」や「ベース(米軍)貸し」の物件であるにもかかわらず、
形式的に住民票だけを移し、「居住用」を装って減免を受けようとする。
これは明確な虚偽申告であり、詐欺罪(刑法246条)に該当する可能性が高い。
司法書士がそれを知りながら手続きを行えば、共犯とみなされてもおかしくない。

先日、横須賀の大手仲介会社の担当者から、まさにその依頼があった。
「買主が住所を移すから、住宅用家屋証明書を取ってほしい」と。
確認したところ、その物件は完全にベース貸し。
居住実態など一切ない。

私は即座に「それは詐欺行為になる」と指摘し、
買主に正しい説明を行うよう伝えた。
役員にも報告した。

ところが翌朝、店長から電話が入った。
「問題は解決しました」とのこと。
どういう意味かと尋ねると、
「別の司法書士に頼むことにしました」と言う。

つまり、私が犯罪行為を止めたから外し、
事情を伏せて別の司法書士に同じことをやらせるというわけだ。
まさに"犯意のバトンタッチ"である。

しかもこの買主、過去にも同様の手口で登録免許税を誤魔化していたという。
それを仲介会社も承知のうえで、黙認している。
私から見れば、もはや組織ぐるみの脱法行為だ。

私は担当を外されても痛くもかゆくもない。
だが、税務署などの関係機関には報告させてもらう。
数万円の報酬のために罪を犯すつもりはない。

何度も言うが、まともな仲介業者は本当に少ない。
本来、顧客が誤った行為をしようとしているなら、
正しく導くのが専門家の務めだ。
それを止めるどころか、一緒に加担するとはどういうことか。
もはや倫理も法も存在しない世界だ。

10万円や20万円のために詐欺行為をする。
もし私が仲介の立場なら、仲介手数料から10万円を引いてでも正しい方法で進める。
だが、そんな発想をする人間はこの業界では珍しいらしい。
利益が最優先、モラルは二の次。
そういう業界が「信頼」を語るなど、笑止千万だ。

たかが10万円のために法を破り、
結果として不動産業界全体の信用を失墜させている。
こんな業界を正すには、内部から声を上げるしかない。

今回の件は、横須賀でも最大規模を誇る不動産仲介会社の話だ。
この規模の企業でさえ、平然と違法行為を行い、倫理観を失っている。
横須賀最大規模の不動産仲介でもこの程度の犯罪集団。
不動産業界の民度が知れる。

結局のところ、問題は個人のモラルではなく、業界全体の体質だ。
「バレなければいい」「儲かればいい」という空気が根深く残っている。

この会社の営業がどれだけお客のことを考えていないか、
また改めて話させてもらう。

なお、先ほど――まだ毛の生えそろってもいないピヨピヨの新人営業から連絡があった。
「この取引、引き受けていただけませんか」と。

......当然、即答で断った。

まずは店長が頭を下げて謝罪するのが筋だろう。
それをせずに新人を矢面に立たせて電話させるとは、
どれだけ腐っているんだ、この会社は。

まぁ、ピヨピヨに怒るのは筋違いだ。
責任は上にある。
だが、きちんと対応はさせてもらう。

では。
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投稿者 貴田和仁 | 記事URL

2025年10月11日 土曜日

公明離脱とバカ話。

公明党が自民党との連立を離脱する。
石原慎太郎氏が昔、「公明党はいずれ自民党の足かせになる」と言っていたのを思い出す。
まさにその通りになった。

公明党の代表が「1年前から政治資金の問題を言ってきた」なんて胸を張っていたけど、
それを今さら高市総裁に言うのは筋違いだろう。
就任して一週間の人に「どうするんですか」なんて聞くのは、どう考えても離脱ありきの出来レースだ。

まぁ正直、離脱してくれるなら大歓迎だ。
安倍さんが切りたかった公明党が、自分から出て行くなんて最高の展開。

そもそも公明党は親中派だし、重要な国土交通大臣を独占するって危ないよね。
よく考えてみれば、失われた30年のうち26年は連立していたわけで、
むしろそれが「失われた理由」の一つなんじゃないかとすら思う。
やっぱり石原慎太郎氏の言っていたことは正しかった。
総理大臣になってほしかったと、今でも思う。

まだ昔の太田昭宏元代表は、宗教と政治の線引きをきちんとしていた。
でも今の公明党の代表は学会の言いなり。
政治家というより"パペット"。
政治家としての器が小さすぎる。

もし野党連合で玉木が総理になんてことになったら、日本はマジで終わりだと思う。
連合も正直、もう邪魔くさい存在になってきた。

とはいえ、高市総理の誕生はもう既定路線だろう。

それにしても、公明党離脱のニュースにビビって株を売りまくる人たちの多いこと。
先物は2,000円以上下落。
おまけにトランプが「中国に100%関税」とか言い出すもんだから、米国株も仮想通貨も一斉に下落。
ノーベル平和賞でもあげて機嫌を取った方がいいんじゃないかと思うレベルだ。

今なら、衆議院を解散しちゃえば自民党は勝てる。
高市氏の支持率は約70%だし、
公明党に頼っていた自民党議員が一掃されるなら、なお良し。

さて、政治の話はこのくらいにして。
最近、同業の司法書士からよく聞く愚痴がある。
「営業がバカすぎる」ってやつだ。

まぁ仲介の営業がバカなのは今に始まったことじゃなく、
いつもどおりなんだけど、
説明しても理解しないし、
メールで細かく書いても違うことをやる。
もはやどうしようもない。

さらに「売主に事前に会わなければいけないので、空いてる日を教えてほしい」と言われ、
「8日なら空いてます」と答えたら、10日に返事があったらしい。......クソだよね。
ちなみにスミフの営業ね。

ちょうど私も営業に怒鳴ったばかりだったので、話が盛り上がってしまった。
あいつら、平気でバレる嘘をつくんだよ。
で、指摘するとさらに上塗りして、話がぐちゃぐちゃになる。

「うちの担当はちゃんとしてた」なんて言う人もいるけど、それは違う。
一般の人は知らないだけで、営業のやらかしに気づいていないだけ。
本当はヤバいことをしているのに、気づかずにニコニコしているケースが山ほどある。

お前はそんなに立派なのかよ、って言われるかもしれないが、
私は嘘をつかないし、合理的に最短距離で仕事を進める。
だからお客さんに迷惑がかからない。

でも仲介の営業にはそれができない。そもそも理解できない。

結局、問題は"人の質"だ。
有名大学出身の営業なんてほとんどいないし、知識も浅い。
ノリと勢いで契約を取っているだけ。
手続きも実務もわかっていない。
"スンズローレベル"って言いたくなる。

司法書士の仕事って、そんな彼らの尻ぬぐいみたいなところがある。
だからこそ、こっちは嘘をつかず、黙々と正確にやるしかない。

私は不動産売買は極力やらない。
イライラしたくないからね。







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投稿者 貴田和仁 | 記事URL

2025年10月 6日 月曜日

嗤う。

祝・女性総裁誕生!

いやぁ、正直ホッとしました。
もし"スンズロー"が総理になってたら、日本国民として恥ずかしい。
高市早苗さんの勝利、本当に良かった!
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投稿者 貴田和仁 | 記事URL

2025年9月 8日 月曜日

石破辞任と相続120万円見積もりのナゾ。

今度は山本五十六ですって。

さてさて、石破首相が辞任しましたね。
次は誰が出てくるんでしょうか。

頓珍漢キャラでおなじみ(?)の小泉氏が出てきても面白いんですが、
そうなると「日本ってほんと国民バカにされてるなぁ」なんて思われそうですよね。
林、茂木、岸田...と名前は出てますけど、正直誰が出ても同じに見えるのが不思議。
結局、高市さんあたりが登場するのかも?

まぁ、私自身は自民党そのものにあんまり興味ないんですけどね。



で、話は変わって今やってる相続案件のお話。
最初に相談されたのは行政書士だったそうなんですが、
見積額がなんと120万オーバー!

内容を見てみると、

戸籍集め
証券会社の株式移転
不動産登記
預貯金の解約
......というラインナップ。

でも実際のところ、

登記は行政書士じゃできない。
株式移転は相続人が口座を作って法定相続情報を送るだけ。
預貯金解約も書類にサインして法定相続情報を添えるだけ。

つまり、本当に代行できるのは「戸籍集め」くらいなんですよね。
それを難しい風に見せて「お仕事」にしてしまう...なんだか詐欺っぽいでしょ?

ちなみに遺産分割協議書も不要。
今回は相続人が一人だけだからです。

私の事務所では預貯金解約は引き受けません。
だって、こちらで整えた書類を銀行に出すだけで、
スマホ契約より簡単なんですよ。
そんなので報酬を取るのはちょっと気が引けます。

結局この方も、登記部分だけをうちで引き受けることになりました。
商売を考えるなら「全部やります!」の方が儲かるんでしょうけど、
なんだか貧乏くさいし、そこまで欲張らなくてもいいかな、と。


久しぶりのブログ更新なので、ついでにもうひとネタ。


格闘技イベント「BreakingDown」のCOO、溝口勇児氏が
中傷を繰り返す"匿名アカウント"の正体を徹底的に暴く新番組を企画しているそうです。

BreakingDownには瓜田氏も出てましたし、私も気になるところ。
スクショ残しておいて良かった!
ぜひ実現してほしいですし、お願いもしたいです。

ではまた気が向いたら


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